ピンサロにアカリ 5話「黒服・タカユキ」
この店では、連絡先交換は禁止されている。
黒服はもちろん、お客さんともダメ。
そして嬢同士の連絡先交換も、もちろん許可されていない。
「してはいけません」と言われると余計にしたくなってしまうのは、何故なんだろう。
そんな好奇心から、私はよく話をしていたシノと連絡先交換をすることにした。
シノは、か弱そうで清楚な、美少女タイプの嬢だった。
この店にはもう所属していない。
初めてできた妹・シノ。
ソファ待機所で、私はシノに耳打ちをした。
「シノちゃんさ、今度ヒマあったら飲みに行こうよ?」
シノは小さく「あ」と声をあげて、びっくりしたという表情を見せてから、すぐに笑顔に戻りこう言った。
「それ、いいですね!こっそりメアド書くんで、ちょっと待っててください。」
思い返すとナンパのような口ぶりだけれど、私はシノを妹のような存在として気に入ってしまったのだ。
人と会話をすることが苦手な私なんかになついてくれたことが嬉しくて、少しでも優しくしてあげたかった。
シノからメアドを受け取った日の深夜、家に帰ってからメールを送った。
ちょっとだけ悪いことをしている手元を見つめて、少しわくわくしていた。
夜の世界で女の子の友達ができたのは、私にとって初めてのことだったのだ。
「シノちゃん、メアドありがとー!今度遊ぼうねー(^-^)」
「アカリさん♪お疲れさまですー!池袋とかがいいかな?楽しみですねー☆」
訪れない「今度」。
それから数週間が過ぎた。
私もシノも、変わりなく働いていた。
「今度」の約束は、いつの間にか忘れてしまった。
さらに数週間が過ぎた頃、シノが出勤しなくなった。
嬢たちが「バックレかな?」と囁いている中、携帯電話にシノの連絡先が残っていることを思い出した。
少し迷ったけれど、やはりシノのことが心配だったのだ。
帰りの電車の中で、メールを送った。
「シノちゃん、どうしたの?大丈夫?」
帰宅して携帯電話を開くと、シノからの返信が来ていた。
「アカリさん、メールありがとうございます!いきなり行かなくなってごめんなさい…」
「それはいいんだけど、大丈夫?何かあったなら話聞くけど…(>_<)もしよかったら、明日とかは?」
「明日、大丈夫ですよ☆池袋がいいですかね?」
「うん、じゃあ20時に池袋東口待ち合わせでいいかな?(^-^)」
「はーい!楽しみにしてますね☆」
言えなかったのかも知れない。
翌日の20時、池袋東口。
シノは待ち合わせに来なかった。
「シノちゃんー、待ち合わせ20時だよね?寝てる?起きてー(>_<)汗」
喫煙所で煙草を吸いながらシノからの返信を待つ間、色んなことを考えた。
私は、こんな私になついてくれたシノにたくさん優しくしてあげたかった。
だけどシノは、それを煩わしく感じていた可能性だってある。
そんな簡単なことに、どうして今まで気がつかなかったんだろう。
「シノちゃん、いきなり明日とか急だったよね。迷惑だったかな。ごめんね。あと15分待って来なかったら帰ります。」
シノはきっと性格の良い子だから、迷惑なことを迷惑だと言い出せずにいたのかも知れない。
今日の誘いも、もしかしたら連絡先交換も、望んでいなかったのかも知れない。
そう思い至ると、急に自分が恥ずかしくなってしまった。
(アカリさん、ごめんなさい!寝坊しちゃいました!)
シノが笑いながら、ここに来てくれたらいいのに。
そうなったら、私の恥ずかしさは全部なかったことになるのに。
15分はすぐに過ぎた。
喫煙所に煙草の吸い殻が少し増えた、それだけだった。
文|カサイユウ(ライター・元風俗嬢)
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