20年経って知った夫の性癖というか趣味のNTR
ナオ、41歳。元風俗嬢の専業主婦がひょんなことから絵画教室のモデルをした時のお話しです。
遅れてきたお爺さん(推定70歳前後)が
「新しいモデルさんだね。知ってたらもっと早く来たのに」
「Mさん、斎藤さん(私)ですよ。早く席についてください」
“M”…聞いたことがあるような…
「Mです。よろしくね」
軽い挨拶をくださり、一番前の席に着きました。
記憶が蘇る時
Mさん、定年退職後の趣味として油絵を始めたそうです。
私に興味をもってくださったようで、年齢は?住まいは?結婚何年?子供は?などなどウルサイ。
「斎藤さんは下の名前はなんていうの?」
「ナオです」
「じゃあナオさんて呼んでいいよね。こんど飲みに行こうよ、旦那さんに怒られちゃうかな、食事くらいはいいよね」
おいおい爺さん…で、記憶が蘇ったんです。
M爺だ!
蘇った記憶
M爺とは、元裏風俗のお客様で嬢にも人気はありました。常に差し入れ持参、しつこくない、つまらない親父ギャグとエロトークが微妙でしたが。っていうか、M○○さんって本名だったんですね。
いない所ではお名前のイニシャルでM爺と命名してました。
週1で指名をいただき、店外デート(お土産付き)&お小遣い、本当にいいお客様でした。
あれから20年近くも経ち、定年を過ぎたM爺はアラフォーになった私に気づいてません、時の流れとはそういうものなのですね。
「ナオさんはヌードモデルはやらないの?ヌードもいいと思うよ」
間違いないM爺だ‼
「Mさんダメだよ、きれいな女の人を見ると脱がせたがるの、悪い癖だよ」
隣にいらした紳士Yさんに窘められるも
「きれいな女性だからヌードがいいんだよ。2人きりならなおさらいいけどね」
周りの女性の視線の冷たいことなど気にもとめておりません。どうやらエロトークは未だに不滅のようで、女性達からは“こまったエロ爺さん”と見られているようです。
蘇った⁉記憶
「ナオさんは旦那さんとどれ位エッチするの?俺なら毎日しちゃうけどな」
ちょっとちょっと、なんという質問をするのよ…皆さん聞こえないふりはしてらっしゃいますがチラッとM爺を見る女性達の視線が…寒い。
M爺のセクハラエロトークを聞き流しながら過ぎていくのだろうと思えた5週目、20代後半くらいの鈴木さんがイメチェンし、ショートカットになり登場、休憩時間にM爺に声をかけられました。
「あれ、名前なんて言ったっけ?」
「鈴木ですが」
「いや、下の名前」
「“ミカ”ですけど」
「そーだよね、ミカちゃんだよね。会いたかったんだよ」
皆さんは意味不明できょとんと2人を見つめ、私はちょっぴりドキッとしました。
「青山に移ったお店閉めちゃったんだよね、携帯もつながらなくなっちゃって、、、」
訳がわからず困ったミカさん
「あの、何のお話しかわからないんですが」
そりゃあそうでしょう。
間違えてはいないかもしれないけど間違えてる
お友達Sさん
「なんだよMさん、青山にも通ってるの?」
「だいぶ前の話しだよ。元は赤坂だったんだ、そこを閉めて青山に移ったんだよ」
「店ってクラブ?キャバクラ?」
「違うよ、店っていってもマンションに女の子がいて奥の部屋で遊べるんだよ」
一瞬の空気の変化に、お友達Sさんマズイと察したのか
「ここでする話じゃないんじゃないか」
ここで休憩が終わりとなり、皆さん気になりながら席にもどりました。M爺もミカさんに後ろ髪を曳かれながら、もたもたと絵筆をとりました。
たぶん、あなたのミカは私です。
あの頃はショートカットで今よりも痩せていて、源氏名は“ミカ”でした。
なぜに?
マンションの奥の部屋で遊ぶとは、お察しの通りマッサージ=エッチする、です。部屋といっても一部屋にベッドを2~3並べて仕切りは薄いパーテーション、お隣りの声はまる聞こえ、私達のポーチには常にコンドーム各サイズが入ってました。
因みに“リラクゼーションルーム”ということでしたが看板なんて出しておりません。
どうなる?ただのセクハラエロトークより面白そうだけど…ミカさんゴメンね。
その日ミカさんはそそくさと帰り、M爺のご友人YさんとSさんは興味津々で
「どんな関係?どんな店?いつ頃?」
などと、お話ししながら家路につき、もちろん周りの皆さんも興味はあるが聞くこともできないので
「Mさんたら、本当に困った方よねぇ」
蘇らない⁉記憶
翌週のM爺は早めにやって来て、ミカさんは遅れて来たのでM爺と接することなく休憩時間へ
「今はどうしてるの?」
「はっ?」
M爺ったら、さっそくミカさんに接近
「どうって…普通の専業主婦ですが…」
「結婚したんだね。今はどこに勤めてるの?」
M爺ったら、なんという質問を‼
「ですから人違いだと思いますよ」
お友達Sさんも
「20年近くも前なんだから完全に人違いだよ」
「そうですよ。20年前の私はやっと小学生ですよ」
ミカさんたらキモいでしょうが優しいんです。
「そーかなぁ、渋谷とか六本木でデートしたの覚えてない?プールのあるホテルは?裸で泳いだトコ」
「どう頑張っても私ではありません。絶対‼」
ミカさん、顔は笑ってますが…
M爺、あなたのミカちゃんは私ですよ。
時は流れて
ミカさんは時間の違うクラスに代わり、ちょっと寂しそうなM爺に同情したほうがいいのかと思い始めた時
「先生、今度はナオさんにヌードモデルになってもらおうよ。個人的にお願いしちゃおうかな」
ちょっとM爺‼ヌードモデルどころか隅々の奥の奥までさんざん触って舐めて弄りまくったでしょうが⁉本当に私のことは忘れてるのかしら?
若いころは絶倫だったとか、お小遣いをあげれば女の子は言うコトを聞いてくれる、など、一般女性が赤面するほどの思い出話し(風俗武勇伝)を語ってくださって、ここでのM爺の口癖は「かわいい彼女が欲しい」でした。
モデル期間は終了し、M爺は最後まで気付いてくれませんでしたが番号とメアドとLINEを丁寧に教えてくれました。良かったような…淋しいような…M爺、元気でね。
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