写真詐欺と、バイブの使いまわしはダメ!絶対!
こんにちは、キンタマ★スターです。マッチングアプリで男性のプロフィール写真がずらっと並んでいるのを見ていると、何人かヤッた男も出てくるのでなんだか卒業アルバムを眺めている気分になります。
ところでこのお話はもう長い間レスられているため、理想のセカンドパートナーを探すべくマッチングアプリをぶん回している人妻キンタマ★スターが、アプリで出会った人をカタログをめくるように回想する物語である。
ご近所さんを探せ!
実は田舎住まいのキンタマ★スター。まあテレビもねえ!ラジオもねえ!というほどの田舎ではないが、バスは1日1度しか来ないし、その辺に牛はいっぱいいる。
そんなド田舎暮らしのため、出会い系で会う約束をした男性とはいつも、電車で一時間ほどかかる都会まで出向いて会っていたのである。
しかし年々移動が面倒になってきたので、今回はわりと近場でセカンドパートナーを探してみようかな、という考えに至ったのだった。
そこで再び開いたのが、「ワクワクメール」である。
ワクワクメールは会員数が多いうえに、男性のプロフィール検索で、市町村まで指定して検索できるため、近くに住んでいる人がとっても見つけやすい。ただ知り合いだったら困るので、自分が住んでいる市に近い、隣りの市で検索してみることにした。
すると隣りの市も田舎なのに、結構登録してる人がいる!ええやんええやん!何人かやりとりをしてみた中で、ちょっと年上でスイーツ好きの男性と会話が盛り上がったキンタマ★スター。
写真を交換してみると、スラっと背の高い、色白でちょっと濃いめのイケメン。こりゃいいや、というのでさっそく、最寄り駅から3つくらい離れた駅で会う約束を取り付けたのだった。
車に乗ったが最後・・・
いざ当日。待ち合わせをした駅(無人駅)のロータリーに車を停めているということなので急いで行くと、白いワンボックスカーがぽつんと停まっている。車種とナンバーを確かめ、車のドアを開けたキンタマ★スター。
「あ、えっと……」
車の運転席に座っている、薄い色のサングラスにキャップを被った男性を見て、思わず絶句した。何故なら、交換した写メの男性とは骨格からして別人だったからである。例えるならば。写メが吉沢亮で、実物はタモリ。若い頃の写真なんだ、と言われたとしてもごまかせるレベルではない。
「さあ、乗って!」
そう言われたので仕方なく乗ったが、「写真と違いません?」と聞く間もなく車は発車。おいおいおい!写真詐欺やんけ!と言いたかったが時すでに遅し。
「じゃあ行こっか」
「はあ……」
いい子の皆さん、知らない人の車に乗ってはいけませんよ。マジで。
ていうか会ったらすぐにバレるのに何故別人の写真を送れるのであろうか。その神経がわからない。でも聞いていきなり殴られたりしても嫌だしなあ……。
色々考えているうちに写真と違うことには触れられないまま、タモリの車はラブホテルのビラビラをくぐった。キンタマ★スター最大のピンチである。
タモリの七つ道具
どうせなら早く済ませて帰ろう、と開き直り、タモリに言われるままシャワーを浴びてベッドにインするキンタマ★スター。
だが、タモリがベッドサイドに小さなバッグを置いているのが気になって仕方ない。盗撮カメラでも入っていたらいけないので、タモリがシャワーを浴びている間にそっと遠くに移動させておいた。
「キンタマちゃん……」
タオルを腰に巻いて、タモリが登場する。プロフィールでは40代前半ということだったが、どう見ても50代後半の体つきとハゲ具合。しかもまだ、薄い色のサングラスをかけたままである。なぜ?トレードマークなの?やっぱりタモリなの?
タモリはがばっと布団をめくり、いきなり抱きついてくる。うーん、加齢臭がすごい。早く済ませて帰ろうと再び決意するキンタマ★スター。
別に50代なら50代でもいい。加齢臭がしたっていい。やりとりの感じも悪くなかったのに、会ったらすぐにわかるようなつまらない嘘をつく人間性だけが許せないのである。
「ねえ、これ使ってもいい?」
タモリは私が遠ざけた小さなバッグを引き寄せ、中からバイブやローター、アイマスクに手枷など様々なグッズを取り出した。
正直、新品かどうかわからないアダルトグッズは使って欲しくないというのが本音である。だって使いまわしかもしれないじゃん!雑菌が気になる!
実際タモリが持参したバイブを手に取ってみると、使用感がたっぷり。いつ買ったやつだよ?昭和の後期か?と聞きたくなるものばかりである。
アダルトグッズはひとつひとつ袋に入れて保管しないと、劣化して使えなくなるんだよ、と教えてあげたくなった。教えないけど。
「えーと、嫌です」
「あ、そうだよね……」
他人の写真使って会いに来るわりに、意外と気弱なタモリ。
「じゃ、じゃあ目隠しは?」
「まつ毛エクステ取れちゃうから……」
タモリのリクエストに頑なに応えない私に、ますますしょんぼりするタモリ。せめて「目隠ししてくれるかな?」とか聞いてくれたら「いいとも!」と言えたかもしれないのに。
さようならタモリ
NOばかりの私に業を煮やしたのか、タモリはおもむろに私を押し倒して乳やら股間やらをまさぐりはじめた。
せっかく来たしとりあえず一回ヤッて帰るか、と気持ちを切り替え、タモリの股間を撫でたりさすったりしてみたものの、タモリの股間のブラタモリは一向に元気にならない。
「あのー、仕事残ってるんで帰っていいすか?」
あまりに盛り上がらないので、そう言い残してシャワーを浴びに行くキンタマ★スター。
勃起しないことが余程ショックだったのか、タモリはベッドで打ちひしがれていた。両膝に巻かれたサポーターや、ベッドでも靴下を脱がないところがよりおじさん感を醸し出している。やっぱ40代じゃないよね。
帰りの車の中で「また会ってくれるかな?」と聞かれ、「いいとも!」とは言えずにあいまいに濁しておいた。
その後は駅に着くまでほぼ無言であったが、とりあえず無事に帰れて良かった。
しかしこんなにもわかりやすい写真詐欺と年齢詐称の男性に遭うのは初めてだし、年季の入ったアダルトグッズを持参してくる人も初めて。色々と勉強になった出会いであった。
キンタマ★スターのセカンドパートナー探しの条件に、会ってすぐバレるようなつまらない嘘をつかない人という項目を付け加えたくなる一件であった。