前回に引き続き、大阪のディープスポット十三(じゅうそう)にかつて存在した、ちょっと怪しい風俗店の話をしてみようと思う。
消えゆくファッションヘルス
「ファッションヘルス」という言葉自体、大阪ではほとんど耳にすることがなくなってしまった。いわゆる「箱ヘル」と呼ばれているもので、デリヘルやホテヘルなどと違い店舗内にプレイルームを持つヘルス店のことである。
かつては大阪府下の歓楽街のあちこちにファッションヘルスは存在したが、不況のあおりを受けてほとんどの店が廃業、あるいはデリヘルやホテヘルへと業態を変えてしまった。
やはり店舗内にプレイルームを持つ形態だと経費がかかりすぎることもあり、店の回転率を上げるためにプレイ時間を短めに設定しているから、どうしても無店舗型と比べて料金的には割高になる。景気が下向きになり、客はより安価なジャンルの風俗へと流れて行ってしまったようだ。
現在、大阪府下で営業を続けるファッションヘルスはわずか数店舗となっている。大阪府では店舗型性風俗店に対しては新規開業の許可が下りないことになっているから、この先たとえ景気がバブル期並まで回復したとしても、条例なり警察の判断なりが変わらない限り、ファッションヘルスが新たに開業することはない。
住宅街の外れで営業するファッションヘルスらしきもの
2010年代まで、大阪の十三には〝ファッションヘルスらしきもの〟が存在していた。現在その跡地には飲食店が建っているが、つい3年ほど前まではヘルス店の構えや看板が営業当時のままの状態で残っていた。
ファッションヘルス〝らしきもの〟と書いたのは、もともと普通の箱ヘルとして営業していたのが、途中でセクキャバやエステに業態を変え、最終的には外国人女性ばかりが在籍する売春店になってしまったからだ。
その店(仮名で『N』としておく)は十三駅の東口(歓楽街は西口方面にある)からすぐの、個人経営の小さな飲食店がぱらぱらと建ち並ぶ、ちょうど住宅街の入り口へと続く一角にあった。
通りの向かいには郵便局や単身者向けのマンション、小さな子供たちが通う音楽スクールまである。そんな場所で違法風俗店が数十年ものあいだ営業していたのが不思議でならない。
ここが十三という街のちょっとおかしなところで、昔から風俗店が摘発されたという話をあまり聞かない。違法な店が存在していることは当局も把握しているはずだが、なぜか黙認されてきたのだ。
同じ淀川区内でも、となりの西中島南方エリアでは、不法行為のうわさがあればすぐに警察の手入れがあるというのに。十三が「魔境」と呼ばれる所以は、そんなところにも表れているのかもしれない。
そんなちょっとおかしな土地柄なのだから、行政サイドも莫大な予算をつぎ込んで街のクリーン化など進めずに、ここだけは怪しい街並のまま残しておいてほしいものだが…。
少し話が逸れるが、十三のラブホテルを利用すると、バスルームが無駄に広くて驚かされることがある。バスタブはたいして大きくないのだが、シャワースペースの間取りだけえらく広くとられているのだ。
私が聞いた話では、かつて十三には、マットプレイを取り入れているホテヘルがけっこうあったそうで、そのために広いバスルームを作ったと言われている。
1990年に大阪で『花の万博』が開催されたとき、それに先立って大阪府内でのソープランドの営業が禁止された(現在、大阪にソープランドが存在しないのはそのため)。
じつはそのとき、営業を禁止されたソープランドの多くが、箱ヘルやホテヘルに業態を変えて営業を始めた。マットプレイのできるホテヘルが十三に存在したのは、その名残だったと聞いたことがある。
住宅街の外れで営業していたファッションヘルス『N』も、もともとはソープランドだったところが業態を変えて始めたものだったのかもしれない。
多国籍風俗と化したファッションヘルス
私が初めて『N』を訪れたのは、たしか2007年の夏だったと思う。その頃にはすでに売春店になっていて、知人からは「あの店、今はフィリピン人しかおらんよ」と聞かされていた。
ところが実際に足を運んでみると(私が行った日がたまたまそうだっただけかもしれないが)、フィリピン人の女の子はおらず、中国人、韓国人、そして日本人が在籍していたのだった。しかも中国人、韓国人がそれぞれ1人ずつなのに対して、日本人は3人もいた。
店内にファッションヘルスの様相はなく、ラウンジのようなボックス席が2つと、L字型の短いカウンターが隅のほうにあった。一時期セクキャバに業態変更したことがあったから、そのときのままなのかもしれない。
あちこちに散らばって女の子たちが座っていた。その中から実物指名し、店の奥にある小部屋でプレイするというシステムになっていた。
初めて利用する私にシステムを説明してくれたのは、50代くらいのパンチパーマに口髭の小柄な男で、アジア人離れした大きな目と高い鼻をした、かなり特徴のある顔立ちだった。どことなく「ホール&オーツ」のジョン・オーツに似ているなと、私は思った。
もうひとり40代くらいのヤクザっぽい風体の男もいたが、私には目もくれず、カウンターの中で携帯電話をいじっていた。
私は女の子たちをざっと見まわし、いちばん綺麗な顔立ちをしている韓国人を指名した。たしかリカという源氏名だった気がする。60分コースで15000円を支払うと(指名料その他のオプション料金はなかった)、彼女が奥の小部屋へと案内してくれた。
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違法ファッションヘルスの後味
その店で遊んだ感想を述べると、なんというか、後味の薄い風俗体験だったと言える。リカという韓国人は美人でスタイルもかなりよかったが、行為中の反応がいまいちだった。要するに〝マグロ〟だったのだ。
「ここ、ダニいっぱいいるかなぁ?」
プレイルームへ入るなり彼女が発した言葉がそれだった。まるで初めてこの場所へ来たような言い方だったので、「いつもはこの部屋じゃないの?」と私は聞き返した。
「たまにここ使うけど、となりの部屋のほうがきれい」
彼女はそう言って顔をしかめて見せた。私は何と言えばいいのかわからず、とりあえず「夏はダニが多いからねぇ」と答えておいた。
プレイルームは思っていたより広く、8畳くらいの間取りにシャワールームと洗面台があった。エアコンがあまり利いていないのか、少し湿度が高く感じられた。
シャワーのあと、彼女はチューブ入りの塗り薬のようなものを取り出し、自分の股間に塗った。挿入の際に痛みが出ないようにローションを塗ったのだろうと思った。中国人風俗で何度か同じような場面を目にしたことがあった。
彼女の体つきは魅力的で、私はその豊満な乳房にむしゃぶりついていった。しかし、鷲掴みして揉みしだき、舌を使って乳首を愛撫しても、彼女は何の反応も見せなかった。
形のよい長い脚をM字に開くと、申し訳程度の薄い陰毛に覆われた割れ目の部分がじっとりと濡れているのが見て取れた。リアクションは薄くとも、体のほうは敏感に反応しているらしい。
彼女は顔やスタイルがいいだけでなく、マ〇コの形や色まで綺麗だった。私は普段はあまりクンニをしないほうなのだが、このときは無性に味わってみたくなった。
じんわりと愛液が溢れ出ている割れ目に沿って、ゆっくりと舌を這わせた。
「うっ、にが…い」
何とも例えようのない強い苦みに、私は思わず顔を上げた。舌先が痺れていた。一瞬、毒を盛られたのかと思って怖くなった。慌てて洗面台へ走った。
うがいをしたあとも、口の中にまだ少し苦味が残っていた。韓国人の女は体を起こして私のほうを見ていたが、何も言わなかった。
先ほど彼女が股間に塗り込んでいたのはローションではなかったのか。ひょっとすると殺精子剤だったのかもしれない。
変な薬剤のようなものを舐めさせられて私は腹が立ったが、それで性欲がなくなるわけではない。ベッドに横たわる彼女のなまめかしい裸体を見ていると、またすぐに勃起してしまった。
枕もとに置いてあったコンドームを取り、固くなったペニスに装着すると、正常位の体勢で挿入した。
彼女の反応は相変わらずだったが、形のいい巨乳をもてあそび、私は腰を振り続けた。上に覆いかぶさり、ディープキスをしながら激しく腰を動かし続けていると、彼女はだんだん気持ちよくなってきたのか、時折ひかえめな喘ぎ声を漏らした。
結局、その韓国人の女とは1回戦交えただけで、消化不良ぎみのまま終わった。60分コースだったが、一般的なファッションヘルスにあるお風呂サービスみたいなものもなかった。
あくまで本番サービスのみを売りにした〝ちょんの間〟の一種だと考えたほうがよかったのかもしれない。
彼女のリアクションがもう少し大きければ満足もできただろう。後味の薄い風俗体験となった。あとに残ったのは、あの口の中の苦い味だけだった。