いきなりですが、実はわたしはイキにくい体質です。
オナニーではイケるのですが、セックスではイケないの…。
相手が好きな人、あるいは彼氏だとしてもイかないんです。
セックスは好きだし、不感症というわけでもありません。
普通に気持ちいいのですが、どうしてもイケない。
手マンやクンニをされてイッたことはあるけれど、挿入ではイケないのです。
そんなのだから、女性が「イク」というのは、全部演技なのでは?とまで思っていました。
そう、あるお客さんに出会うまでは…。
素股攻防戦
わたしの風俗デビューは、28歳でした。
かなり遅咲きのほうだと思います。
初めて入った風俗は、店舗型ヘルス。
入店時に講習がないお店だったので、どういうプレイをするかは各キャストに任されていました。
一番難しかったのは、素股です。
一般の女性であれば、セックスの経験はあっても、素股の経験はないのが普通でしょう。
講習がなかったのでネットで調べた方法でやっていたのですが、当時わたしがやっていたのは素股ではなく、実際にはマンズリでした。
「いつかスルっと入っちゃいそうだな〜」という危機感は、常に持っていましたね。
ある日の接客のこと。
AVに出てきそうな、「キモいおじさん」の典型みたいなお客さんの接客をしました。
風俗をやっていて出会うお客さんの中で、若いイケメンの確率は1%にも満たないので、当たり前といえば当たり前。
重要なのはルックスではなく、身なりです。
見た目が清潔そうな感じなら、とりあえず合格点をあげられます。
即尺が基本プレイに含まれる風俗店に来るお客さんの中には、わざと汚くしたチンコをしゃぶらせようとする悪質なヤカラもいるので、清潔であるかどうかは非常に重要なポイントです。
そして、粗チンならなおよし。
更に、包茎でなければ100点です。
その見た目がキモいおじさんは、風俗のお客さんとしては合格でした。
体臭なし、チンコがムケていて異臭もなし、シャワーも嫌がらずに浴びてくれます。
とりあえず、ちゃんと接客ができるレベルです。
たったこれだけのことなのですが、4人に1人くらいは合格レベルに達しないチンコをぶら下げてくるんですよね〜。
包茎なのは仕方がないとしても、いい歳をしてチンコを剥いて洗うことができないおじさんがいるのには、正直言ってびっくりさせられます。
そういう人はパンツを脱いだ瞬間、異臭騒ぎ。
本当に、致死レベルの異臭を放つチンコを持つおじさんもいて、もはやテロに等しいんです。
おじさんたちは、なぜ自分の臭いに気がつかないのか…。
気にしていないのか、あるいは鼻が異常に悪いのでしょうか?
たとえ本人が気がつかなくても、「お父さんのパンツと一緒に洗濯しないで!」と家族から言われているでしょうに…。
わたしなら、確実に言います(笑)。
臭い場合は申し訳ないのですが、グリンスでガシガシ洗わせていただくしかありません。
あんなチンコをそのままパクリと咥えでもしたら、確実に病気になっちゃいます。
その合格点のおじさんと一緒にシャワーを浴びてベッドに移動し、いつものようにプレイの流れをこなしていきました。
素股の体勢に入ると、おじさんが腰を突き上げるようにしてガンガン動かしてきます。
これは素股で、「あっ入っちゃった」作戦を狙っていることは明らかです。
素股に慣れた現在なら、入りそうな角度やうまい避け方がわかっているので、わたしにその作戦は通用しません。
しかし、そのころはまだまだ素股にも慣れていなかったし、なんなら勘違いをしてマンズリしていたため、いつ入ってもおかしくないような危険な状況でした。
なんとかチンコを入れたいおじさんと、絶対入れさせまいとするわたしの攻防戦が繰り広げられます。
傍から見れば、エロいプレイと言うよりも、まるで格闘技をしているように見えるのではないのでしょうか?
おじさんのチンコでイク
おじさんと必死に戦っていたわたし。
早くイカせようと頑張って腰を動かしても、おじさんはなかなかイってくれません。
遅漏…それは、風俗嬢が恐れるチンコのひとつ。
風俗嬢が好むチンコは、早漏の粗チンです。
どうしてかというとフェラするのがラクだし、挿入されたときの負担も少ないからに他なりません。
1日に何人ものお客さんを接客する風俗嬢にとっては、デカチンはただの迷惑でしかないんです。
たまにチンコがデカい自慢をしてくるお客さんがいますが、風俗嬢は「すごいね~!」なんて言って表面上は笑っていても、心では泣いているので気をつけてくださいね。
話は戻りますが、素股はけっこう体力を消耗します。
いい加減疲れてきて、ちょっとスキができたのかもしれません。
「あっ」
入っちゃった!これ絶対入ってる!!
これは、おじさんの粘り勝ち。
もちろんチンコを抜こうともがくのですが、腰をがっちりと押さえられているので逃げられません。
何食わぬ顔で、腰を動かし続けるおじさん。
「ちょっと、いい加減にして!」
わたしが言っても、腰を振るのに夢中になっているおじさんの耳には届きません。
最初は、めちゃくちゃ抵抗していたわたし。
しかし、そのうち気づくのです。
あれ…?待って、気持ちいいんだけど。
まさか、こんなおじさんのチンコが気持ちいい?
嘘でしょ…これ多分、今までで一番いいかも。
このままじゃヤバい。
イッちゃう。
彼氏のチンコでもイケないのに、本名も知らないおじさんのチンコでイッちゃうなんて。
屈辱…しかしこの屈辱が、快感をさらに高めていきました。
「イキたくない」と思えば思うほど、気持ちよくなってしまうジレンマ。
気持ち悪いおじさんに責められると感じてしまうというわたしの性癖は、このとき開眼してしまったのです。
チンコは大きさじゃない
世の男性の多くは、チンコのサイズが大きい方が女性が喜ぶと思っているのではないでしょうか?
しかしこの日わたしは、気持ちいいチンコは大きさではないということを、身をもって知りました。
わたしをイカせたおじさんのチンコは、大きくもなく小さくもなく平均的なサイズ。
カリが張ってるとか、左右に曲がっているとかそういう特徴もなかったです。
本当に、ごくごく平凡なチンコでした。
何故このチンコがこんなに気持ちいいのか考察を重ねた結果、「チンコがわたしの気持ちいい場所に、ちょうど良い感じに当たっていた」という結論に達しました。
わたしは、マンコの奥のほうをチンコで突かれるのが嫌いなんです。
もちろん奥が好きな女性もいますが、わたしはあの振動でお腹が痛くなってしまい、快感どころではなくなってしまいます。
更にマンコが小さめなので、太すぎるチンコも痛いだけで、気持ちよくはなれません。
つまり、「チンコは大きければいいというわけではなく、当たる場所が重要」という、チンコに対する結論に達しました。
わたしのチンコ論はさておき、問題は彼氏のチンコでもイケないのに、どっかのおっさんのチンコでイカされてしまったことです。
認めたくない、断じて認めたくない。
知らないおっさんのチンコで、初めての中イキをしちゃったなんて…。
こんな変態と付き合っている、彼氏にも申し訳ない。
しかしわたしはこの事件が起こってから、「気持ち悪いおっさんに責められる」というシチュエーションを想像しながらオナニーをすることが習慣になってしまいました。
この仕事を辞めたあと、わたしのような変態はどうやって性欲を満たしたらいいのでしょう?
すでに、不安しかありません。